New Photographs
10月15日(金) 16:30-17:30
part I : 2004年10月15日(金) – 11月20日(土)
part II : 2004年11月26日(金) – 12月24日(金)
2001年以来3年ぶりの3回目の新作展となる今回は、作家本人が来日のもと、写真のインスタレーションを自らが構成します。
ティルマンスは、友人、静物、景色など、身近にある様々な事象を写真で切り取る。しかしながら、その風景は彼自身にとって日常的なものではなく、「限られた貴重な瞬間にだけ、人や町の景色がその美しさを自分に開く」、きわめて特別な瞬間なのだという。彼はその現実の内面に潜む不条理感を捉え、人間の思考や行動のあらゆる可能性として、作品へと昇華させている。同時に、近年より、フィルムを使わずに印画紙にイメージを定着させた抽象的作品も並行して制作しているティルマンス。写真における表現の可能性をさらに広げ、新たな領域へと踏み込んでいる。
今回はオペラシティアートギャラリーでの個展と同時開催です。当画廊では、オペラシティの展示とは別の視点で、ある一つのテーマに集約した展覧会を、Part IとPart IIの二回に分けて構成予定です。
また、今展に合わせて、3冊目となりますティルマンスのアーティストブック「Wolfgang Tillmans wako book 3」[A5版変形、80ページ(カラー図版16ページ)、2,500円)]を出版します。
Wolfgang Tillmans ヴォルフガング・ティルマンス
1968年ドイツ、レムシャイド生まれ、ロンドン在住。イギリスのボーンマス&ポール・アート・デザイン・カレッジにてデザインを学んだ後、ロンドン、NY、ベルリンに移り住み、独学で写真を学ぶ。ファッション・フォトグラファーとして「i-D」などの表紙撮影の仕事に携わりカメラマンとしての地位を築いたが、1993年ケルンのギャラリー、ダニエル・ブッフホルツでの個展を皮切りに、現代美術作家としての活動を開始。1995年にフランクフルトのポリティクス、1996年NYのアンドレア・ローゼン・ギャラリーにて展覧会を開催、一躍美術界の寵児となる。2000年イギリスにてターナー賞受賞、2003年ロンドンのテート・ブリテンにて個展を開催。空撮風景、静物、動物や友人たちと過ごす時間などの何気ない日常を記録した作品群は「すべてに価値を見出す力を持っている」と評価される。現在、世界で最も期待される現代美術作家。