In My Mother’s Footsteps
レセプション:2009年4月11日(金)17:00-18:00
このたび、4月11日(土)より、当画廊におきましてベルリンを拠点に活躍するイシャイ・ガルバシュの展覧会を開催する運びとなりました。日本初個展となる今展では、ホロコーストを生き延びた自身の母親の手記をもとに制作した”In My Mother’s Footsteps”、台湾で滞在制作した”In The Same House: Where a family lived for four or more generations”、イスラエルの国境を撮影した”The Fence”を展示します。
ガルバシュはこれまで、世界各地を旅し、家族や人権などの社会的な問題をテーマに作品を制作してきました。”In My Mother’s Footsteps”では、1年以上かけてベルリン、オランダ、ポーランド、チェコ共和国を旅し、ドイツ系ユダヤ人である母親サラの足跡を辿っています。1929年ベルリンに生まれたサラは、4歳の時に家族とともにオランダに逃れるも、1942年に強制収容所に収監されます。その日から解放されるまでの壮絶な日々を綴った手記は、同じくポーランド出身のホロコースト生還者である夫の遺言により、1995年に完成させました。18歳の時に偶然知ることになった母親の衝撃的な過去であり、しばらくは母親の文章に目を通す事が出来なかったというガルバシュは、ホロコースト生還者の肉親であるという事実と向き合うため、歴史的事象でもあり私的でもあるこのプロジェクトを遂行しました。大型カメラを構え、目の前に広がる対象と丁寧に向き合う作業は、自分の母親が失った魂を拾い集めるかのようだったと語り、現存する痕跡に過去への洞察を静かに浸透させています。
アーティスト・レセプション:4月11日(土) 17:00〜18:00
※同日、トーキョーワンダーサイト渋谷でもレセプション(19:00〜21:00)を開催します。
後援:オランダ大使館
イシャイ・ガルバシュ
イスラエル生まれ。ニューヨークにて写真を学び、2001年より定期的に個展やグループ展を開催するなど、精力的に活動を始める。Noorderlicht Photofestival 2005(オランダ)にて初めて”In My Mother’s Footsteps”を発表。現在、HATJE CANTZ出版より写真集”In My Mother’s Footsteps”も発売中(予価6,500円)。今展に合わせて、トーキョーワンダーサイト渋谷にて個展[4月11日(土)〜5月17日(日)]も同時開催する。
アーティスト・ホームページ:http://www.yishay.com/