I have seen real happiness nowhere, but it is doubtless here
このたび、4月2日(金)より当画廊におきまして、ヘンク・フィシュ「I have seen real happiness nowhere, but it is doubtless here」展を開催する運びとなりました。ヨーロッパを拠点に国際的に活躍する作家の4年ぶり6度目の個展となる今展では、洞窟壁画を連想させるような大型の作品を含む新作の彫刻作品やドローイング作品を発表致します。作家の来日に合わせ、アーティスト・トークの開催も予定しております。
ヘンク・フィシュはこれまで、人間の様々な精神や意思を形象化し、個人や社会とアートの関係を見つめ、作品に還元してきました。彼の作品は、いわゆるブロンズ彫刻という重厚なイメージとは離れたところに存在しています。ある種の不気味さとユーモアを兼ね備え、どこか擬人化された作品には、一度見た人の心をとらえる魅力があります。
新作「I have seen real happiness nowhere, but it is doubtless here.(ほんとうの幸せを見たことはないけれど、それは確かにある。)」では、直線と曲線の平面的要素が、2メートルを越える立体で表現されています。親近感を覚える造形と心地よい詩的なリズムが鑑賞者の視線を捉え、また作品タイトルに込められた深層が、シンプルな立体構造と調和し、鑑賞者の想像力を喚起します。
ヘンク・フィシュ
1950年オランダ、アイントホーヘン生まれ。同地在住。最初の夢は指揮者になることだったが、9歳でこれをあきらめ、その後役者、作曲家、建築家 等様々な職業を志す。1980年、彫刻家になることを決意。最初の作品は560cmの橋で、現在クレラー=ミューラー美術館(オッテルロ、オランダ)のコレクションに加えられている。ヴェニス・ビエンナーレ(1988)、ドクメンタ9 (1992)をはじめ、数々の展覧会に出品。オランダの現代作家といえば彼の名が必ず挙がるほど世界的な評価は定着している。近年は西沢立衛建築による森山邸での展示(2006)や、伊東豊雄設計によるシンガポールVivoCity(2006)や北京(2009)でのパブリックアートプロジェクトに参加するなど、活躍の場を広げている。