Photographs/Sculptures
このたび、10月16日(金)より当画廊におきまして、ロサンゼルスを拠点に活動しているマイク・ケリーの展覧会を開催する運びとなりました。70年代後半からパフォーマンスを開始し、これまで絵画、彫刻、写真、映像、音楽、テキスト、インスタレーションと様々なメディアを駆使し、作品を発表してきました。近年、大掛かりなインスタレーション作品を多く手掛け、重要な国際展には欠かせない存在となっています。今夏ヴェネツィアにオープンしたフランソワ・ピノー財団による美術館でのコレクション展でも迫力のあるインスタレーションを展開しました。待望の12年振り3度目となる今展は、最新の彫刻作品ほか、70年〜90年代に制作した未発表の写真作品を発表します。
スーパーマンの漫画に登場する架空都市をモデルにした”Kandor”シリーズでは、派手な電光色や奇抜な色使いで、誰もが知っているストーリーの舞台でありながら多様性を極める街並みを立体的に再現しています。30年前のケリー本人が被写体となり、耳や鼻から煙状の物質を放出し降霊術写真を模した”The Ectoplasm”シリーズには、当時のオカルト美学へ傾倒が反映されています。そのほか、身体や脚線美を強調し横たわる女性や、スカーフを纏ったダンサーが踊る象徴主義を喚起させるようなモノクロ写真シリーズ、独特の浮遊感が漂い不気味な生命体を連想させる抽象的写真から、学生時代に浴室で現像していた頃の作品まで、未発表の貴重な作品を含めた展示となります。また、展覧会にあわせ、最新のポエムを収録したカタログ「Mike Kelley: Photographs Sculptures」の刊行も予定しています。
マイク・ケリー
1954年デトロイト生まれ。
アーティスト、ミュージシャン、批評家など様々なジャンルで活躍。80年代に発表したぬいぐるみを用いた作品で注目を集め、これまで数多くの展覧会や国際展に参加。昨年はベルギーにて大規模な回顧展「Educational Complex Onwards: 1995 – 2008」を開催。今後はSculpture Center(NY)にて、マイケル・スミス共作のヴィデオ・インスタレーション展や、Performa09(NY)でのパフォーマンスほか、Gagosian Gallery(NY)での個展も予定している。