Hungry and Hopeless People Cannot Share the Same Values and Goals of Those Living in Peace and Comfort
9月30日(金) 18:00-20:00
このたび9月28日(水)より、当画廊におきましてヘンク・フィシュ「Hungry and Hopeless People Cannot Share the Same Values and Goals of Those Living in Peace and Comfort」展を開催いたします。
フィシュはこれまで人間の様々な精神や意思を形象化してきました。彼の作品の大きな特徴は、独特の存在感を放つ造形はもちろんのこと、そこにある種の不気味さとユーモアを兼ね備えているところです。いわゆるブロンズ彫刻という重厚なイメージとは離れたところに存在し、観る者に新鮮な驚きをもたらします。
昨年の個展に引き続きまして、今回は「現代人」をテーマに取り組んだ新作インスタレーションやドローイング作品を発表いたします。
「Hungry and Hopeless People Cannot Share the Same Values and Goals of Those Living in Peace and Comfort(お腹を空かし希望を持てない人は、幸せで快適な暮らしをおくる人々と同じ価値や目的を持つ事が出来ない)」という作品では小さなカイト(凧)が自由に飛び回ります。それはまるで気のまま思うままにダンスを楽しんでいるようで、鑑賞者にひと時の安らぎを与えます。その和やかな空間とは対照的に、悲観的なタイトルに込められた作者の思いとは…。フィシュはこの作品について、物事に対し表面的な捉え方をしがちな我々の視線に疑問を投げかけるように、「カイトは現代人そのものだよ」と語ります。
Henk Visch ヘンク・フィシュ
1950年オランダ、アイントホーヘン生まれ。同地在住。最初の夢は指揮者になることだったが、9歳でこれをあきらめ、その後役者、作曲家、建築家等様々な職業を志す。1980年、彫刻家になることを決意。最初の作品は560cmの橋で、現在クレラー=ミューラー美術館(オッテルロ、オランダ)のコレクションに加えられている。ヴェニス・ビエンナーレ(1988)、ドクメンタ9 (1992)等数々の展覧会に出品。オランダの現代作家といえば彼の名が必ず挙がるほど世界的な評価は定着している。