Gallery Show
*工事のため臨時休業いたします。期間:11月27日(日)から 12月2日(金)
ワコウ・ワークス・オブ・アートではこの度2022年11月12日(土)から12月23日(金)まで、ヘンク・フィシュの立体作品とジョーン・ ジョナスのドローイング作品を紹介する常設展を開催いたします。
ヘンク・フィシュ Henk Visch はオランダ生まれの彫刻家で、人間を想起させる独特な形態をもつ彫刻作品の制作を中心に「不可視であるもの」に対する問いかけを続けている作家です。 詩を綴るような深い思索を制作の起点とし、そこから導き出された様々な思考の様相を作品として象ることで、知覚の可能性を物体として表現しています。ドローイング作品も数多く、作品に描かれる図像は作家本人が「目を閉じても描けるたぐいのもの」と語るような、視覚以外の感覚から導き出されたものです。時にはドローイングの中に、世界を問うような独特なメッセージが書き込まれます。フィシュは結合や接触など感覚の延長にあるものを可視化することで、人間の多様な精神や意思を表現します。
ジョーン・ジョナスJoan Jonas はニューヨーク生まれのメディア/パフォーマンスアーティストです。1960年代に活動を開始して以来、約60年間に渡りパフォーマンスを追求し続けてきました。それまでのパフォーマンス・アートにヴィデオを代表とするニューメディアの技術と理論を融合させたことで新しい表現形式を展開させ、現代アートの中で身体表現が持つ可能性を大きく広げました。毎年のように主要美術館や国際展で多くの展覧会と本人出演のパフォーマンスが開催され、常に現代美術の第一線で発表を続けています。今回展示するのはジョナスの芸術で非常に重要な要素を占めるドローイング作品です。ジョナスはドローイングを「世界をなぞる行為」とも呼び、パフォーマンス中に描いたり、空間インスタレーションの一部として制作したりしています。象徴的で核心を突くモチーフながらもどこか牧歌的な表現は、私達と世界とを柔らかく結ぶ契機をもたらします。
フィシュとジョナスの間には長らく交流があり、国内では2008年に刊行したジョーン・ジョナスのカタログ「Lines and Shadows」にフィシュが寄稿しています。身体性を現代美術の文脈と融合させ、人間の知覚と豊かな創造性を押し広げる2人のアーティストの作品を是非この機会にご高覧ください。