from/to #1
7月9日(金) 18:00-20:00
ワコウ・ワークス・オブ・アートでは今夏より、厳選された若手作家による展覧会のプロジェクトを開始します。その第1回となる今展では、Room1にて政田武史のペインティング作品、Room2にて横谷奈歩の映像インスタレーションをご紹介します。
これまで、布に絵具を染み込ませる技法”ステイニング”の作品を制作してきた政田。新作を発表する今展では、ビニールを貼ったパネルを用い、アクリルで描いたペインティングのシリーズを展示する。画面上において、筆致や染みが作り出す空間と、それらによって生まれるイメージが作る空間。一方の空間を認識すれば他方は見えなくなり、二つの空間を同時に見ることは出来ない―「見る」と「見える」について考えさせられるこうした絵画体験が、一貫した彼のテーマとなっている。繊細さが内在しながらも、大胆な筆触で描かれた画面。そこには「絵画」そのものに対する強い眼差しが向けられている。
一方、映像をメディアとして作品を制作する横谷。彼女は、それぞれの場所に潜む日常に少しの操作を加えることで生成される、異質な世界を提示する。今展においても、ひとつの空間に庭や小部屋、洗面所、書斎や隠し部屋を配し、その先に広がる非日常的風景を新作の映像とインスタレーションで表現する。何気ない日々の生活を別の角度から見つめ直すことによって、普段は見過ごしてしまいがちな日常の本質が垣間見えてくる。
政田 武史 Takeshi Masada
1977年大阪生まれ。2003年京都市立芸術大学大学院研究科絵画専攻油画卒業。主な展覧会に「Slow painting」(2003、Daiwa Radiator Factory Viewing Room、広島)、「政田武史展」(2001、nomart edition project space、大阪)、「Walk Don’t Run」(2001、Gallery ZERO、大阪)がある。
横谷 奈歩 Naho Yokoya
1975年東京生まれ。1998年東京藝術大学入学。現同大学院博士課程在学中。主な展覧会に1999年「アートイング東京1999 21×21」(2000、セゾンアートプログラム、東京)、「I gallery’s eye vol.4」(2000、ギャラリー伝、東京)、ミュンヘン国立アカデミー&東京藝術大学交流展(ミュンヘン国立アカデミー、ミュンヘン、ドイツ)がある。