ある美術館の庭のための公共彫刻のプラン
3月4日(金) 18:00-20:00
このたび2005年3月4日より、竹岡雄二“Ein Plan für eine Gartenanlage eines Museums (ある美術館の庭のための公共彫刻のプラン)”展を開催いたします。
自らの作品を「オブジェ(もの)をおくことによって作られる空間」として、その見え方を追求し、それを、展示品を置くための「台座」を用いて提示する竹岡。「台座」のある空間自体を作品とみなし、「展示する」または「鑑賞する」行為を視覚的に表現することを試みます。何も展示されていないが何かが展示されている、この含みを持たせた空間は、台座の上やショウケース内の空間、さらにギャラリー空間の制度自体を問い、既成概念を揺るがせます。
今展のメインとなる美術館の公共彫刻のプランは、街や公園など公の場所に設置されているレディメイド(街灯、公衆電話、踏切など)と、私的なレディメイドを集めて庭にひとつの空間を創り出します。美術館は本来公共空間ですが、今回対象となるのは元個人邸の建築物であるため、そのプライベート的な性格を合わせ持つことから、「公」と「私」のオブジェによって混在したイメージが知覚できる空間を提示します。今展では美術館3ヶ所のプランドローイングとモデルを展示、合わせて新作の「台座」作品もご紹介します。
竹岡 雄二 Yuji TAKEOKA
1946年京都生まれ。ドイツ・デュッセルドルフ在住。京都市立芸術大学彫刻科を経て、79年デュッセルドルフ国立美術大学卒業。86年にデュッセルドルフのギャラリー、コンラート・フィッシャーに認められ、個展を催す。89年にゲント現代美術館、フランクフルト・クンストフェラインのグループ展に参加。92年にはドクメンタIXに参加し、その後国内外で注目され、97年にはシュツットガルト・クンストフェラインやヴェストファーレン・クンストフェラインにて大規模な個展を開催。98年から2002年にかけて、スペインを皮切りにドイツ2ヵ所、韓国、日本では千葉、京都、福岡で開催された「ミニマル・マキシマル」展に参加。現ドイツ・ブレーメン芸術大学教授。