リュック・タイマンスLuc Tuymans
biography
1958年ベルギー生まれ 、現アントワープ在住。ゲルハルト・リヒター以降の世代で最重要画家の一人と称されている。イメージの力学を冷静に追求し、その根底に潜む道徳的な観念を詳らかにしながら現代社会を問いかけている。イメージに備わる伝達力の強さと物事を歪曲し隠蔽する力を同時にカンバスに示し、選びぬかれた主題を絵の具とカンバスだけで描き出す核心的な表現を特徴とする。モチーフには既存の画像などを用い、その主題と地域の歴史性の関わりを慎重に考察しながら、有名人の肖像やアイコニックなシンボル、人気のTVや映画の場面などをクリティカルに選びぬいて描き出す。独特の淡い色彩はそれがレプリカであることを強調し、イメージという存在のゆらぎや記憶と歴史の曖昧な関係性に深く言及していく。近年は展覧会のキュレーションも数多く手掛けている。
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