New Strip Paintings and 8 Glass Panels
冬季休廊:12/28~1/7
ワコウ・ワークス・オブ・アートの開廊20周年記念展として、2012年12月8日(土)より2013年1月26日(土)まで、現代絵画の巨匠ゲルハルト・リヒターの新作展を開催します。
ドイツを代表する現代美術作家であり、国際的にも最も重要な画家と評価されるリヒターは、1960年代より、フォト・ペインティングやカラーチャート、何層にも重ねた色響きあう抽象画と、一貫して絵画の本質を追求しながら様々な試みに挑戦し続けてきました。昨年から今年にかけて、ロンドン、ベルリン、パリにて、50年の軌跡を辿る大回顧展 “Panorama” が巡回されています。今なお美術界を牽引し、創造性に溢れた作品を発表して常に私たちに新鮮な驚 きを与えてくれているアーティストです。
本展で最も注目すべき作品は、2012年の最新作である、リヒター自身が描いた抽象画を複雑にデジタル加工してプ リントした、色鮮やかなボーダーが目を引く“Strip”です。さらに、8枚のガラスを使った立体作品と、昨年、ロンドンの テート・モダンで発表した、写真にエナメルで彩色を施したシリーズ “Museum Visit” より20点を紹介致します。いずれも日本初公開です。
直接手を触れることなく自らの作品を分解、再構成する作業は、西洋絵画の伝統そのものをも解体(strip)し、新たに生まれ変わらせています。それは同時に、今や私たちの生活や文化、アイデンティティーにまで否応なく入り込んでくる新しいデジタル化の波を、鑑賞者に対して改めて見つめ直すよう促しています。
「シャイン(光、仮象)は私の一生のテーマだ」
作家が長い探求の過程で切り開いた表現を、この機会にご高覧ください。
また、今展に合わせて展覧会カタログを出版します。こちらも合わせてご期待ください。
Gerhard Richter ゲルハルト・リヒター
1932年ドレスデン(旧東ドイツ)生まれ。ケルン在住。世界で最も重要な画家の一人。東ドイツで美術教育を受けたが、西ドイツ旅 行中に出会った抽象表現主義に強い影響を受け、ベルリンの壁ができる半年前にデュッセルドルフへ移住。1964年にはミュンヘ ンとデュッセルドルフでの初の個展を開催し、1972年ヴェネチア・ビエンナーレを皮切りに、ドクメンタ(5、7、8、9、10)等多数の国 際展に出品。1997年、第47回ヴェニス・ビエンナーレ金獅子賞、同年、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。日本では2005年に金沢21世紀美術館と川村記念美術館で日本初の回顧展を開催。2011年から今年にかけてロンドン、ベルリンで開かれた大回顧展は現在、パリに巡回中 (於:ポンピドゥー・センター、9月23日まで)。 2012年12月には、オランダのアムステルダム市立近代美術館にて大規模な回顧展が開催され、巡回展となる予定。